そろそろ、気になるワインの保管

そろそろ、気になるワインの保管

2020年5月4日 0 投稿者: nakiusagi

ここ数日、季節外れの気温で早くもワインの保管の事が気に掛かる方も多いのでは‥。トンネルセラーがあれば理想ですが‥😁

そうなると、欲しくなるのがワインセラーです。今日はワインセラーについて我が家の実体験をお伝えしたいと思います。

ワインセラーを選ぶ時に悩むこと

お値段もありますが、よく悩むのが、大きさ(収容本数)、冷却方式、電気代かと思います。我が家では、写真左側から、177本、140本、26本収容の3台を使っています。この3台を詳しく書きます。

我が家では、フランス・EuroCarve社製Essential(写真左・2012年製造・大)、同じくEuroCarve社製Première(写真中・2018年製造・中)、日本・フォルスター社製FJC-95G(写真右・2018年製造・小)を使っています。

それぞれ、設計・製造年代も異なり、比較するのに好都合です。

大きさ(収容本数・設置面積)

ワインセラーを検討する時に既に導入されている方や、家電量販店の店員さんから、「どうせ、ワインが増えるから、なるべく収容本数の大きい製品を」と勧められると思います。これは、私も同感です。

収容本数が多いのに越したことはありませんが、大切なのが収容効率です。3台の大きさ、設置面積、収納本数をまとめてみました。

EuroCarveの2機種は、設置面積は同等ですが、高さが異なる分、収容本数が異なります。

一方でフォルスターの設置面積をEuroCarve2機種の設置面積と比べると、6割程度です。確かに設置面積は小さいのですが、収容本数が大きく異なります。もちろん、高さの違いはあります。

EuroCarveとフォルスターの大きさの違いは幅で150〜180ミリ、奥行きで130〜140ミリの違いです。

何が要因でこれだけの収容差が生じるか?

それは、一段あたりの収容本数の違いです。これが大切です。

写真左がEuroCarveで、一段に12本収納できます。写真右がフォルスターで、1段に5本、無理すれば6本収納できます。設置面積の違いはありますが、収納本数が倍半分となります。

EuroCarveの機種は、ボトルを互い違いに収容することで収容効率を高めています。ここがポイントです。

ワインセラー選びは、一段あたりの収納本数も注意してみてください。

消費電力(冷却方式と電気代)

次に気になるのがランニングコストである電気代です。電気代を左右するのは、冷却方式と、ワインセラーを設置する環境温度です。

ワインセラーの冷却方式は、圧縮機(コンプレサー)方式、ペルチェ(電子)方式、吸収方式等が一般的です。

圧縮機方式は、冷蔵庫やエアコンと同じで冷媒ガスの圧縮と膨張により冷却を行います。この方式は入力する電気エネルギー以上の冷却が可能です。また、冷却能力が高いのも特徴です。

ペルチェ方式は、半導体素子に電気を流し、電子の作用で冷却を行います。この方式は半導体素子の変換効率に左右され、入力された電気エネルーの6割〜8割くらいしか冷却ができないデメリットがあります。さらに、設置する環境温度が高い場合、庫内を冷やしきれない虞があります。一方で、安価であること、また、機械的な動作が無いため無振動・ほぼ無音で、ワインを保管するにはよい条件となります。

吸収方式は、アンモニア等を冷媒として用います。機械的な動作が少ない方式でメリットはありますが、冷媒漏洩時のリスクから近年は用いられることが少なくなった方式です。

近年は猛暑が続いていますので、冷却能力を重視することが大切です。

ワインセラー選びは、予算が許し、特にこだわりが無ければ圧縮機方式がオススメです。

さて、我が家で運用している3台のワインセラーの定格消費電力(仕様)をまとめました。

ワインセラーのカタログを見ると、年間消費電力量や定格消費電力が記載されています。定格消費電力は、圧縮機が運転している時の電力値です。設定温度まで冷却されれば圧縮機は運転休止するので、定格消費電力×年次間で消費電力を考えるのは間違いです。

じゃあ、どれくらい電力消費があるか判らない‥と言うこともあって、最近の家電製品は一定条件の元で使用した場合の年間消費電力量が明示されている事が多く、ワインセラーも同様です。

フォルスター社は、年間消費電力量で表示されています。これでも、実際の消費電力量が予測できないのが実情です😁

そこで、我が家における2019年の消費電力と、外気温のデータをまとめました。外気温のデーターは、気象庁データーを利用しました。

コンセント型電力量計で計測、日平均気温の練馬は参考のために掲載

比較的、冷涼な長野県に住んでいますのでワインセラーの設置環境温度は都市部に比べて低くなります。しかし、エアコンを設置していない(本当です)ことから、都市部のお住まいでエアコンを設置されている状況と変わらないかもしれませんね。

2019年の結果は‥

16℃設定の170本収容EuroCarveで194kwh、14℃設定の140本収容EuroCarveで96kwh、12℃設定の無理矢理36本収容しているフォルスターで44.6kwh、という結果です。

年間のランニングコストは‥

電力会社との契約種別により電力単価が異なりますが、仮に¥20/kwhとすれば、170本クラスで¥4000/年、140本クラスで¥2000/年となります。

設計・製造時期、設定温度、収容本数など違いがあるので、一律に比較はできませんが、電力消費について次のような傾向があります。

・設計が新しい機種ほど、消費電力が少ない これ大切!!

近年は、低消費電力のコンプレッサーや、断熱性能に優れたガラスや断熱材が開発され、消費電力の低減に貢献しています。

例えば、EuroCarveの場合、一つのモデルで、170本クラス、140本クラス、70本クラスのラインナップがありますが、いずれのラインナップも同じ圧縮機が搭載されています。定格消費電力も大差ありません。

我が家で使っているEuroCarve社製Première(2018年製造・中)の定格消費電力は70Wです。同じシリーズの180本クラスで定格消費電力80Wです。

我が家で使っている2012年製のEuroCarve社製Essential・170本クラスの定格消費電力120Wより同等の最新機種は定格消費電力が3割以上少なくなっています。

EuroCarve社製Essentialの設計は90年代で、ロングセラー商品なので仕方ないかも‥。

・インバーター圧縮機の機種は、消費電力が少ない

インバーターで圧縮機の回転を制御し、必要最小限の動作しかしないため庫内の温度変化や振動が少なく、消費電力も少ない傾向にあります。エアコンでは「当たり前」に用いられているインバーター圧縮機ですが、ワインセラーに用いているのはフォルスターくらいでしょう。

ワインセラー選びは、なるべく最新の設計機種でガラス扉などの断熱性能が良い機種がオススメです。

設定温度と2温度帯機種

赤ワインには14〜18℃、白ワインには12℃〜16℃など言われ、一台で上段/下段で2温度帯を設定できる機種があります。実際には、1温度帯の機種でも上段/下段で温度勾配が生じますので、これを利用して上段に赤、下段に白を収容すると良いと思います。

温度勾配も計測していますが、次の機会に触れたいと思います。

レストランなどで、セラーからワインを出して直ぐにサーヴィスとなれば2温度帯も必要となるかもしれませんね。

意外と重量級、ワインセラー

ワインセラーの多くは、ガラス扉が使われており大変重たいです。さらに、ガラス瓶を収容するのですから‥。

我が家で使っている3台の重量級の重さをまとめました。

大型の機種は、満杯時の重量が300Kgを超えますので床強度が心配ですね。床強度が心配な方は、事前に建築の専門家に相談された方が良いですよ。

ちなみに、我が家は暖房器具の関係で床補強をしていますので心配はありません。しかし、少しでも重さを分散させるため、ワインセラーの下に厚さ24ミリの合板を敷いています。

アフターサービス

ワインセラーは故障が比較的少ない電気製品ですが、当然に故障もあり得ます。技術者に出張して頂き修理をお願いすることになるので、サービス体制が気になるところです。この点は、日本メーカの方が手厚いのが実情です。

EuroCarveで修理・点検をお願いしたことがありますが、別のお客様への訪問と一緒で良ければ‥と言う配慮をくださり安価な費用で済んだこともあります。

フォルスターは、全国各地に修理委託業者網があるようで特に心配は無さそうです。

都市部であれば問題は少ないと思いますが、地方暮らしにとっては重要なポイントです。

最後に、私のオススメ

収容効率と、長年フランスを始め世界で信頼されていることを考えるとEuroCarveのPremiereシリーズが一押しです。180本クラスになると、高さ180センチ近くになり、最上段に収容したワインを確認するのが大変なので、70本、もしくは140本クラスがオススメです。

消費電力も少なく、運転音も気になりません。

Premiere 70本クラス


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Premiere 140本クラス


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お手軽に始めたい、けど確かなワインセラーをと言うことであればフォルスターですね。こちらも歴史が長く大手商社「双日」が手掛けるブランドです。

フォルスターにするならインバータ機種がオススメです。インバーター特有の高周波音が最初だけ気になります。

FJC-95G 26本クラス(我が家では無理矢理30本以上入れています😁)


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他にも、ドメティック、スタイルクレア、デバイスタイル、ファンビーノ、ハイアール、さくら製作所、アルテビノなど色々なメーカーが有ります。家電量販店さんで見比べてください。

迷った時は、コメントをくださっても構いませんし、既に使っていらっしゃる方にアドバイス頂くのも良いかと思います。

今日は、長々とお付き合いありがとうございます。

【参考資料・グラフ】

数字で見ると奥行きは結構異なりますが、実際に設置するとあまり変わりません。

消費電力の推移
外気温(日平均)の推移
比較のため、都心の外気温(日平均)の推移